
トルコのシュペル・リグが、この夏、欧州サッカー移籍市場の新たな「台風の目」として急浮上している。モハメド・サラー(34、トラブゾンスポル)、ロメル・ルカク(33、フェネルバフチェ)に続き、ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(26、ベシクタシュ)までもが合流を果たした。かつては「全盛期を過ぎた選手が引退直前に向かう場所」と囁かれたトルコリーグだが、今や欧州のビッグリーグで名を馳せた超一級のストライカーたちが相次いで上陸しており、明らかにこれまでとは異なる地殻変動が起きている。
ベシクタシュは16日、ヴラホヴィッチの獲得を正式発表した。ユヴェントスとの契約が満了したセルビア代表のストライカーをフリーエージェント(FA)で獲得。契約期間は3年だ。ユヴェントスでの5年間で公式戦68ゴールを記録したヴラホヴィッチは、フィオレンティーナ時代に自身を指導したヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督と再会を果たすことになった。
20代半ばとまさに全盛期を迎えているヴラホヴィッチの参戦により、今シーズンにトルコの地を踏むストライカーの顔ぶれは、かつてないほど華やかなものとなった。
その中でも最も大きな注目を集めているのが、やはりモハメド・サラーだ。リヴァプールで9シーズンにわたり君臨し、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)制覇など、数々の栄光を手にしたサラーが選んだ新天地はトラブゾンスポルだった。サラーは15日に行われたカスムパシャとのリーグ開幕戦で、後半から途中出場。早くもトルコデビューを飾り、スタジアムを沸かせた。試合は1-1の引き分けに終わっている。

フェネルバフチェにはロメル・ルカクが電撃加入した。チェルシーやインテル、そして昨季はナポリでプレーしセリエA制覇も経験しているベルギー代表の怪物が、今度はトルコでゴール量産を狙う。
サラー、ルカク、ヴラホヴィッチ――。名前を並べるだけでも、欧州5大リーグのトップクラブと何ら遜色のない、あまりにも豪華なストライカー陣が揃い踏みした。
さらに、トルコの上位クラブによる補強の勢いはこれにとどまらない。フェネルバフチェは、マンチェスター・シティなどで活躍したDFネイサン・アケ、元フランス代表のダイナモであるエンゴロ・カンテ、PSG出身のマルコ・アセンシオ、さらにはマンチェスター・ユナイテッド出身の超新星メイソン・グリーンウッドら錚々たる面々を次々と獲得した。
宿敵ガラタサライも負けてはいない。バイエルン・ミュンヘンからドイツ代表快速ウインガーのレロイ・サネを引き抜くことに成功。ベシクタシュも、アーセナルで存在感を示したレアンドロ・トロサールまでをも迎え入れるなど、まさに狂乱の補強劇を展開している。
これまでのトルコリーグにおけるスター獲得といえば、ガラタサライとフェネルバフチェの「2強」に集中するのが常だった。しかし今夏は違う。トラブゾンスポルやベシクタシュといった強豪も一斉に動き出し、リーグ全体, 特に上位陣がこぞって移籍市場の主役に躍り出ているのだ。

これにより、2026-2027シーズンのシュペル・リグは開幕前から「世界が注目するスターたちのリーグ」として熱い視線を浴びている。現地メディアやファンの間では、今回の猛烈な補強攻勢をサウジ・プロリーグの動向と比較する声も少なくない。サウジアラビアが「オイルマネー」を武器にクリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマといった世界的レジェンドを巨額の年俸で魅了したのに対し、トルコは「欧州の舞台に留まり、UEFAチャンピオンズリーグなどのクラブ大会に出場できる」という競技面での最大のメリットに加え、世界一とも評される「熱狂的なフットボール熱」を武器に選手たちを惹きつけていると分析されている。
当然、これらのビッグネーム獲得には破格の資金が投じられている。サラーがトラブゾンスポルで受け取る年俸は1700万ユーロ(約280億ウォン/約28億円)規模に達すると報じられており、ルカクやヴラホヴィッチらもそれぞれの名声と実績にふさわしい破格の条件でサインを交わした。トルコ上位クラブの選手層と財政規模は、いまや欧州5大リーグのクラブにも引けを取らないレベルに達している。中下位クラブとの格差はあるものの、上位陣のクオリティが極限まで引き上げられたことで、今夏のシュペル・リグは欧州フットボール界の主役へと躍り出た。


